司法書士だより vol.1
司法書士 藤井浩一
雑感 〜 消費者金融と誇り

新聞報道にもあるように、現在、貸金業規正法の改正が行われようとしています。
また、改正案については、消費者保護を骨抜きにするものであるとの批判も多々
あるところです。

消費者金融の利息については、利息制限法という法律と、出資法という法律が
あり、消費者金融が一定の要件を満たした場合(契約書面、受取書面の交付、
利息支払についての任意性)には利息制限法を超えた利息の支払が受けられる
というものです。例えば、50万円を消費者金融から借りた場合、利息制限法の上限利息は18%、出資法
の上限利息は29.2%となります。消費者金融が前述の一定の要件を満たせば29.2%まで利息を取る
ことができます。しかし、昨今の最高裁判例により、消費者金融の要件は非常に厳格に解釈され、要件を
満たすことは実質的に不可能となっています。つまり、消費者金融は要件を満たせないにも関らず、利息
制限法を超える利息を得ていることになるわけです。

司法書士、弁護士による債務整理はこの点をつき、これまでの取引を全て利息制限法所定利息に引き直し、
制限超過部分を元金に充てていきます。そうすると、実際の借入金額が圧縮され、それを3年程度の分割
返済として和解交渉していきます。借入期間が長ければ長いほど、超過利息を払っていることになるわけ
ですから、場合によっては返済をし過ぎていることとなり、消費者金融に対し、過払金の返還を請求する
ことも多々あります。

現在、消費者金融は要件を満たせないにも関らず、利息制限法を超える利息を請求しています。そして、
司法書士、弁護士が介入すれば利息の引き直し、過払金の返還に応じます。つまり、分からない人からは
法的に根拠のない利息を請求し、主張されれば和解に応じるという、「ばれなければ良い」という体質なの
です。そして、これは東証の一部に上場している消費者金融も例外ではありません。

東証一部上場企業は日本財界の顔と言っても過言ではありません。そこに連なる企業は高い倫理性と
法令遵守の精神が求められるはずです。広告宣伝に莫大な予算を費やしながら、「ばれなければ良い」
とう消費者金融が堂々と上場している姿は、誇りを失った日本を象徴するものではないのでしょうか。


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