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「魚のサケは、海の栄養分を山奥へ運んで木を育ててくれる、大切な使者なのです。」
と同志社大学経済学部教授の室田さん。サケが木を育てる・・・きょとん、とさせられる
ような話だけれど、最近とりわけカナダやアメリカでそういう研究が急速に進んでいる。
「つまり、海から産卵のため川を溯上したサケは、死んで色々な動物や鳥のえさになり、
その動物や鳥が糞をして山に栄養を与える、という回りまわった話なんです。」
山に雨がふり、山の栄養分は川に流れ、海まで行く、そうなると山には栄養分がなく
なり、木が育たなくなるが、海は栄養が増えすぎてしまう。しかし、現実にはきちんと
バランスが取れている。いったいなぜか。そこで出てきた考えが、サケなどの溯上魚が
魚の栄養分を山へ戻すのではないか、という考え方。
産卵のため川を上るサケを熊が捕らえ、えさになる。そして山に糞をして、それが木を
育てる栄養となる。えさにならなかったサケは無事産卵を終えてそこで死ぬ。それが
プランクトンの栄養となる。プランクトンは昆虫を育て、昆虫は鳥のえさになり、この鳥の
糞もまた、山の木の栄養となる。
熊沢蕃山(1619-91)という江戸時代の陽明学者が、山に鳥を呼べば緑が育つ、とすでに
考え出している。木が生えない山が、30年もすると雑木林になるという実際の報告がある。
小さい・なんの力もない、と思われている存在が、大きな山を育てていくためには必要な
存在なのだという。
あなたはどのくらい自分の存在意味をご存知ですか。気がついていなくても、かなり大きい。 |
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